【ご報告】サマースクールを実施しました(2018年度高学年編)

8/3〜6に行われた小学校4,5年生のサマースクールは22名が参加、「本物の風越山荘」をテーマに1.5坪の小屋を建築する4日間を過ごしました。

高学年は「建築」に取り組んでみようと決めたあと、5月の学校づくり途中経過報告会に参加してくれていたセルフビルドパートナー・えんがわ商店の渡辺正寿さんに相談。渡辺さんが仲間の加藤郷生さんに声をかけてくださり、事前に何度も打ち合わせを重ねました。4日間という期間の中で、どんな建物をつくるかの設計部分から子どもたちと一緒にするとなると、それだけで終わってしまう。でもその設計こそが一番楽しいところであり、決まったものを組み立てるのは本物といえるのか。子どもたちにとって本物の建築は、きっと未経験。到底1人ではできないし、簡単にはいかないだろう。どうすれば本物の体験ならではの気づきを得ることができるか、迷いながら準備し当日を迎えました。

1日目の午前中は、遊びの時間をたっぷりとることからスタート。まずは4日間を過ごすフィールドと、他の参加者たちと出会い、場に馴染む時間を持ちました。
その後、本城から現在工事中の軽井沢風越学園の校舎の模型を紹介。この模型は、今回のために校舎設計をお任せしている環境デザイン研究所の事務所から移動し、組み立てていただきました。

校舎の模型を目にする子どもたち

そして、Googleマップで敷地の衛星写真を見ながら「この敷地内に3歳から15歳までの子ども達が遊んだり学んだりする『風越山荘』を4日間で建築してほしい。まずはこの場所につくり、2020年には学校敷地内に移築したい。」という依頼が、本城から子どもたちにあり、参加者ひとりひとりに発注書が手渡されました。その後、「皆さんだけの力では建築するのは難しいと思うので、本物の2名の大工さんに力を貸してもらいます。」と渡辺さんと加藤さんの紹介があり、二人からどんな建物を、どんな手順で建築するかの説明を受けました。

発注書。設計図や模型カット図含めて一人ひとりに手渡された。

このタイミングで、初めて今回のテーマを知った子どもたちは、やや動揺。聞き慣れない用語が多くて難しく、手元の発注書に設計図はあるものの、具体的な大きさやプロセスのイメージがわかない様子のまま、まずは外壁を塗る作業と基礎づくりに分かれました。

乾かしながら次々と外壁を塗る
地面の砂利の量を調整しながら水平をつくる

基礎を打つためには、水平状態が必要です。建設地は平らに見えるけれども、実際はやや傾斜していて、基礎の下の砂利の量を少しずつ調整しながら水平器とにらめっこしながら水平を探ります。その後、基礎部分の直角を出すには、算数の出番です。直角定規はあるけれども、それだけでは短すぎて、線を延長していくとだんだんずれていってしまう。メジャーを活用して、0m、3m、7m、12mのところを持ち、0mと12mを合わせて直角三角形をつくる。三平方の定理の活用です。こうしてメジャーと指金(直角定規)を使いながら何度も微調整しながら慎重に直角を出していきました。

1日目終了時点

なんとか基礎の完成と、外壁塗装を終えて、1日目が終了です。

2日目は、道具の準備をしてから渡辺さん、加藤さんから道具の使い方についてミニレッスン。その後、みんなで上棟準備に取り掛かります。

左)毎朝の始まりは、道具の準備
右)脚立に登って梁をあげる

想定していたよりも子どもたちにとっては高所での作業が多く、脚立の上では作業できる子どもの数に限りがあるので、手が余った子どもたちは途中作業を抜けて遊んでしまう様子もありました。昼食と自由遊びの時間を過ごしたあと、建具の窓と扉のデザインを考えるチームと、床を張るチームに分かれて作業。どうやらこれくらいのグループサイズが作業しやすそう、という手応えを得ます。最後に上棟式をやって、この日は解散。

2日目終了時点で上棟式。渡辺さん・加藤さんからお餅やお菓子が蒔かれる

実は、2日目を終えた時点で予定の工程からずいぶん遅れをとっていました。みんなで一つのことをやることを意識したがゆえに手が余ってしまったり、子どもたちの気づきを大人が待った場面が多かったりしたのが原因です。もちろん、一つ一つの作業を楽しんでいる子ども、プロの工具を使うことを楽しんでいる子どももいましたが、全体の動きにはなっていなかったというか…。でもそれは、スタッフの関わりによって生まれていたのだと思います。

2日目終了後のスタッフミーティングで、このままだと大人でも間に合わない、ということが確認され、3日目の朝は子どもたちとその状況を共有するところから始めました。当初は、屋根も含めて子どもたちが仕上げる予定だったが、大人でも間に合わない可能性と、完成が見てみたいということを伝え、助っ人スタッフの江原政文さん(コワーキングスペース イイトコ)と小川佳也(設立準備財団スタッフ)が屋根担当として子どもと一緒につくることに。彼らにも発注書が渡され、屋根の上の作業に取り掛かりました。

現状と全体像が子どもたちに伝わったせいなのか、この日を境に、子どもが自分たちで考えて、自ら動く様子が一気に増えました。2日目までは、作業が終わったら他の場所で遊ぶこともあったのが、3日目からは子どもたち同士で「次何やるんだっけ?」というやりとりが生まれ、大人の力が必要なところは、「ちょっとこれ手伝って」、と大人に声をかけるようになったのです。また「建物、扉、窓」と分業することで、子どもたち一人ひとりの仕事になっていきました。3日目は終了時間ちょうどに、目標としていた工程を終えました。これには大人たちもびっくり。

3日目終了時点

 

3・4日目:窓のデザインを考え、色を塗り、窓枠をつくって組み立てる
3・4日目:ドアは板を張り合わせてから2枚に切り、鋲でデザインして塗装

いよいよ最終日となった4日目、一日を通してものすごい集中ぶりでした。こちらが休憩を促さないと、子どもたちも(屋根の上の大人も)なかなか休憩をとろうとしません。残された仕事に次々と取り組む様子は、大人も子どもも関係なく、ひとつのチームでした。

左)ネジを咥えてビスを打つ様子は大人顔負け
右)予定のなかった看板もつくることに
左)壁に防水シートを張っていく
右)最後は大人も懸命…

途中、何度か通り雨がやってきました。空を見上げて、雨が降るんじゃない?と大人に聞く子、降り出したらすぐさま一緒にブルーシートを被せ、電動工具を屋根の下に移動させる子が、小さい職人に見えました。昼食をとった後もほとんど遊ばず、すぐに仕事に戻ります。解散時間が近づくにつれ、なんとも表現しがたい時間の流れでした。なんとか完成が見たい、とスタッフも総動員で作業に入ります。でも、もうあと一息、というところで終了時刻を迎えました。結果は、「ほぼ完成」。夏場の軽井沢は、本来であれば工事自粛期間です。今回はご近所の皆さんに無理をお願いして、特別に作業をさせてもらっていました。その約束時間の延長は難しかったのです。

 

壁の一部、ドアと窓の取り付けを残して、ほぼ完成

今回、無理に子どもたちに完成したい気持ちを持たせるような誘導はしたくないよね、とスタッフ間で話していました。でも、自分たちの手でつくっていく楽しさ、ちょっとした成功と失敗を繰り返しながらできることが増える喜び、みんなで一つの完成に向かっている一体感は、日を追うにつれ、なんとか完成させたいという気持ちに繋がっていったように思います。家に発注書を持ち帰り、翌日の仕事を確認していた子どももいたそうです。

今回のサマースクールは、事前に大人がテーマを用意し、それを子どもに伝え、取り組みました。子どもの「やりたい」という内発的動機から始まった学びではありません。学びにおいて、つい内発的動機によって自走するほうがよいように考えがちですが、今回のように外発的動機から始まる学びも大切だと改めて感じました。

たとえば、限られた道具で同じ作業を仲間で進めるうちに「2本止めたら交代しよう」とルールを決めたり、仲間の作業を見ながら「もっとこっちのほうがいいんじゃない?」とよりよい方法を工夫したりと、自分が気づいたことを共有し、仲間に学びが広がっていく様子も見られました。また助けが必要なときに仲間に声をかけたり、自分一人ではできそうもないことに仲間とチャレンジできたことも、今後なにか難しい場面に取り組む際、捉え方や取り組み方が変わる気がします。同時に、どんな人と一緒に学ぶのかも大事な点なのかもしれません。ビスを打つ合間に、近くで黙々と内装仕事をする渡辺さんの仕事ぶりをじっと見つめている子どもがいました。のこぎりが怖いとなかなか作業に入れなかった子どもは、加藤さんの丁寧な使い方の指導とフィードバックのおかげで、窓枠のためのきれいな直角を切れるようにまでなりました。真剣勝負で仕事をする大人の存在があったからこそ、与えられた作業が自分たちの仕事になり、こちらが意図していなかった学びや気づきが生まれていきました。

一方で、今回のテーマを4日間ではなく、例えば1ヶ月に渡って集中して扱うと、どんなカリキュラムになるのか、ということも開校に向けて考えてみたいことの一つです。今回の「風越山荘」を学校の敷地に移築したあと、子どもたちとリフォームプロジェクトをしてもおもしろいかもしれません。今回のサマースクールでは、「ほぼ完成」で終えたので、これからも続くと思います。

一旦終了後に、大急ぎで取り付けたドア。要調整…!

終了後、事前準備からお手伝いいただいた渡辺さんと加藤さんに感想を聞いてみました。

渡辺さんからは第一声、「実は僕、ワークショップって苦手なんです」。これまで何度かペンキ塗りや本棚作りなどのワークショップを開催してみたものの、うまくいくようにと全部お膳立てしすぎて、本来渡辺さんがテーマにしたい「自分で作るということは、どういうことか?」については伝えられず、疲れてしまうばかりだったそうなのです。そんな心境のときに、本城からの今回の誘いでした。
そして事前の打ち合わせを経て、これまでのワークショップとは別物だな、と思えたとのこと。「そもそも、子どもたちで本当に作ることができるのかどうか?それさえも分からない(笑)そしたら、スーッと肩の力が抜けて、いろいろ考え過ぎても、準備し過ぎてもしょうがない、当日出たところ勝負で、子どもたちと一緒に悩もう!と素直に思えたんです。結果的に僕のやりたい形、伝えたいことを伝えたい形になっていて。おそるべし、風越マジック!(笑)」。

そして迎えた当日。渡辺さんと加藤さんは、ともに本気の真剣勝負で4日間過ごしてくださいました。「最初は子どもたちに探究してもらい、僕たち大人はそれをサポートする!と意気込んでいましたが、結局、後半、は子どもそっちのけで大人必死!でも大人が本気で悩んで、本気でいっぱいいっぱいで、本気で夢中になっている姿を見せられたこと、それが一番良かったのかなと。自分で作るということを選択したことによる苦悩・苦痛をしっかりと伝えられたかな、と思います(笑)」と渡辺さん。

加藤さんは、「参加してくれる子どもたちが主人公だと考えていたサマースクールは、子どもたちと一緒に過ごすことで、実は自分も主人公だったということにも気がつきました。自分自身が主人公になってがむしゃらに楽しむこと。これが今の僕には足りないのだということを子どもたちから教えてもらいました。 みんなと全力で遊びながら建てた4日間。 遊びの中に学びありという考え方がわかり始めた47歳の夏休みでした! 」とのことでした。

こんなふうに子どもたちと、自分自身とまっすぐにつきあう大人と一緒に学びの場をつくることができるのは本当に嬉しく、これから開校までもまた開校後も、こうした関わりをたくさんつくっていきたいと思っています。惜しみなく本物の仕事を見せてくださった渡辺さん、加藤さんをはじめ、丁寧に子どもたちと関わってくださった江原さん、大越さん、環境デザイン研究所の皆さん、本当にありがとうございました。

開催にご協力いただいた皆様:
えんがわ商店 渡辺正寿さん
加藤郷生さん
コワーキングスペース イイトコ 江原政文さん
学び舎key塾 大越要さん
環境デザイン研究所の皆さん

【ご報告】サマースクールを実施しました(2018年度低学年)

軽井沢風越学園の遊びと学びが体感できるサマースクールを今年の夏も開催しました。7/30〜8/2に行われた小学校1〜3年生のサマースクールは36名が参加、「本物の写真」をテーマに4日間を過ごしました。

初日は、「浅間国際フォトフェスティバル」(8/11〜9/30まで開催)の会場である御代田写真美術館(旧メルシャン軽井沢美術館)にて、新しい友だちと少しずつ出会い、カメラと写真を通じて表現することに触れました。
子どもたちが最初に手にしたカメラは、チェキ。2人で一台を使って、「なつっぽい」、「かわいい」などのテーマから発想した写真を撮りました。

つぎに写真家の岩田量自さん(通称ジョニー)が撮った写真を見た後、一人ずつに用意されたミラーレスの本格的なデジタルカメラを手にしたときの嬉しそうな子どもたちの顔が印象的です。あっという間にカメラと仲良くなった子どもたちは、2日目以降は別のフィールドでたっぷり遊び、たっぷり写真を撮りました。

具体的な撮り方について教えたりしなくとも、子どもたちは自然にこう撮ったらおもしろいものが撮れるんじゃないかと思いついては、それを試していました。

竹筒を覗いて撮った写真
「虫かごに捕まえた写真」撮影者談
ホウキに乗ったり飛んだところを撮る浮遊写真が大流行

また、岩田さんが撮るときに意識していることのレクチャーを受けることで、なんとなく撮っていた子どもたちの写真が、すぐさま変化したり、『おしゃべりな森』(野呂希一、講談社)という絵本を通じて、木や葉っぱ、森にある自然をよく見てみたらこれまでと違った世界が見えるかも、という提案をしてみたら、撮るものの選び方が変わったりと、ぐんぐんと吸収していく子どもたち。岩田さんから、みんなの中で写真家を目指す子どもが出てくると嬉しいなぁという言葉が出るほどでした。

撮った写真はその日によって印刷できる枚数を決めました。写真を撮ることに時間をたくさん使う子もいれば、選んで現像した写真を飾ったりスケッチブックに貼って絵日記のように表現することに時間をかける子もいます。そして毎日のお迎え時には、どの子もとっても誇らしげに今日撮った写真を見せていました。

「見てみて!」「なーに、これ?」

4日間ずっと写真を撮り続けていたわけではありません。半分くらいの時間は、たっぷり思う存分に森での遊びを楽しみました。川で遊んでいる人の横で、水に石が落ちる瞬間を何度もじっくり撮影している人がいたり、遊びと学びがいったり来たりしていました。たっぷり遊ぶ時間をとったことで、写真の時間にぐっと入りこめたように思います。

今回、どんなサマースクールにしようか考えたときに、室内でいわゆる学びに寄せた4日間にすることも案の一つでした。ただそうなるとスペースの関係で参加できる子どもたちの数は限られてしまう。室内のみで4日間となると、子どもたちの関係性も限定的になってしまいそう。ということで今年も野外で行うことにしました。野外では、心身ともに開放的になり、自然と様々な遊びが生まれます。遊ぶことで子どもたち同士の関係が育まれ、写真の時間には互いの写真を撮りあったり、撮るものの準備を手伝ったり、日を追うごとに作品にも遊びを通じた子どもたち同士の関係性が現れていたように思います。また7月から始まった風越こらぼに参加している子どもの様子が、サマースクールでは全く違っていたことも印象的です。室内と野外、環境や場面が違うだけでこんなにも変化するなんて、その子のことをある一面だけでは判断できないな、とつくづく思いました。

最終日には、森の中で写真展覧会をしました。家族に見てもらいたい写真を選び、お気に入りの場所に飾り、どんな展覧会にするかは、お昼ご飯を挟んで子どもたちと相談しようと思っていたら。何人かの子どもたちがお昼休憩の間に、展覧会の看板と受付で渡すチケットをつくっていました。それならば、と他に必要そうな準備を子どもたちに案を募ることにしました。

自分で場所を見つけて、展示の仕方を試行錯誤
制作した看板を見ながら、話し合い

すると、色んなアイデアが子どもたちからどんどん出てきます。会場の中を案内したい、おみやげを渡したい、休憩コーナーをつくりたい、子どもたちが大好きだった「ミステリーバス」と呼んでいる場所に案内したい、家族がカメラで撮影できるコーナーをつくりたいなど。それまで活動していたグループや学年が混ざり合い、そのことをやってみたいメンバーを募り、話し合いをして準備開始。家族を迎えるまで1時間半、一気に展覧会の準備が進みました。「やりたい!」という自分たちので思いから始まったことだからこそ、やりきれたのだと思います。

受付で自分たちで一枚ずつ作ったチケットを渡す
森のあちこちに作品を展示
くじびきしてもらえるおみやげは、子どもたちが撮影した写真

4日間を通じてできた子どもたちの関係性から起きたできごとを、もう少しご紹介します。

困ったり、感情的になっている子どもに対して、周りの子どもが素直な言葉をかけることで、大人が関与せずとも、すっと気持ちを落ち着かせていく様子が何度も見られました。大人たちがあれこれ考えて選ぶ言葉は、なんとも遠回りだなと思ったりします。

もう一つは、喧嘩。特に自由遊びで子どもたちに人気だったのは、大きな2メートル四方のハンモックと水場の2箇所です。

大人にゆらしてもらったり、自分たちでゆらしたり
今夏は軽井沢も暑かったので、水遊びは大人気

ハンモックは、ゆれてぶつかるうえに、高さが異なる場所取りをめぐって、しょっちゅうトラブルが起きました。あるとき、ハンモックの近くで「あいつにいなくなってほしい!」とカンカンに怒っている一人の男の子。スタッフが声をかけ、その怒りの気持ちを手紙に書きました。それを持ってハンモックで楽しそうに遊んでいる相手に伝えにいくと、「お前がいなくなれ!」とその子も応酬。しばらく互いに激しく罵り合っていました。ボーダーのシャツを着ている相手に「しましまおにぎり野郎!」と言葉を投げつけたのですが、「あ、俺もしましまの帽子だ!」「俺たち、2人ともしましま野郎じゃん」と笑いが起きました。「なんかもういっか」、という気分になったのでしょう。その怒りの手紙は、ライターで燃やして、おしまいです。

水場では、自分が水をかける順番が代わってもらえず殴り合いになった二人。一人がぜったいに許せない、と水場に怒ったままで残っていたら、もう一人がすっと戻ってきて、「さっきはごめんな」、と一言。すると、さっきまで絶対に許せないと言っていたのにも関わらず、「うん。いいよ、大丈夫」、と言って、一緒に活動に戻っていきました。

大人が介入して喧嘩を止めることも、もちろんできます。でもそうやって途中で止められてしまった気持ちは行き場がなくなってしまう。子どもたちは自分たちで解決する力があることを信じて、喧嘩も含めて見届けるようにしています。

このように、遊ぶことと子どもたち同士の関係をつくることを大事にしながら、4日間を過ごしました。自由度の高い時間の中で、本物のカメラを使って子ども自身が撮りたいものを撮り、撮ったものを使って表現できたこと、そして子ども自身が何にどれくらい時間を使うか選べる余地があったことで、自然に自分の関心やこだわりが現れていたように思います。またプロの写真家が伴走してくれたことで、子どもたちの経験・作品は本物に近づいていきました。
人から何かを教わったり、言われたとおりに真似てみるところからスタートし、そこから自分で新たにつくりだす学び。そして自分がつくったものを誰かに見てほしい、誰かに伝えたい、というところから始まる学び。そんな学びがいっぱい詰まった4日間でした。

開催にご協力いただいた皆様:
岩田量自さん(写真家)
株式会社アマナ (浅間国際フォトフェスティバル会場の無償提供)
キヤノン株式会社(デジタルカメラ・プリンターの無償提供)
富士フイルム株式会社(チェキの無償提供)

9月15,16日風越コラボin熊本、申し込み受付開始しました。

9月15,16日風越コラボin熊本、申し込み受付開始しました。
https://kazakoshi.jp/e-colab/kumamoto


岩瀬と苫野による風越コラボを熊本でも開催します。

「子どもたちに『学びのコントローラー』をゆだねたい。」

苫野が出会った多くの教育関係者が、そんな想いを持ちながら
日々試行錯誤しています。そうした方にエールを送りたい、
相談できる仲間としてつながってほしいという願いから、
岩瀬が熊本に初訪問し、苫野とともに2日間のワークショップを開催することにしました。

公教育の本質である<自由>と<自由の相互承認>について苫野からお話し、
またその実質化の一つとして、岩瀬の実践事例をご紹介することで、
「共同探究者」「探究支援者」としての教師のあり方、
そうした学びを支える学校・教育行政関係者のあり方について、
ともにじっくり考え、対話したいと思います。

子どもたちが、「自由」に、つまり生きたいように生きられるための
力を育む教育とは、一体どんな教育なのでしょう?
「自由の相互承認」の感度を育む学校とは?、その実践とは?

熊本で、初となる軽井沢風越学園設立準備財団の岩瀬×苫野のコラボ。
九州・中国地方の皆さま、ぜひ奮ってご参加ください!
(もちろん九州・中国地方以外からもご参加いただけます。)

放課後まなび場「風越こらぼ」、はじめます。

軽井沢風越学園設立準備財団では、私たちが目指す遊びと学びを実現するために放課後まなび場「風越こらぼ」をはじめます。

第1期「風越こらぼ」では、読むこと・書くこと・表現することを活動の中心に据えています。子どもたちには、「風越こらぼ」での活動を通して、本を読むこと、文を書くことの楽しさをそれぞれに合ったかたちで実感してもらいたいと考えています。

例えば、それは世代や国境を越えた新しい世界との出会いかもしれません。自分が書きたいことを書きたいように書く楽しさかもしれません。こうした楽しさは、一人で楽しむことはもちろん、誰かと一緒に分かち合い広げていくこともできます。さらに、そこから発展させて自分なりに表現したり、試してみたりすることで、探究する力もついていくはずです。

こうした経験を積むことが、自分自身で学び続ける力を身に付けることにつながります。

この「風越こらぼ」という名前は、学びが広がり深まっていく場を子どもたちや保護者の皆さんと一緒につくっていく場(collaboration laboratory、協同する実験の場)にしたいという願いを込めて付けました。

私たちの目指す学びを実現するためのカリキュラムは、試行錯誤しながらよりよい形をつくっているところです。わくわくを大切にしながら、ぜひこのまなび場「風越こらぼ」を一緒につくっていきましょう。

詳細はこちらへ>>https://kazakoshi.jp/k-colab/

2018年夏、サマースクール開催します

軽井沢風越学園設立準備財団では、軽井沢風越学園の遊びと学びが体感できるサマースクールを今年の夏も開催します。

今回のサマースクールのテーマは<本物>。本物の何かを探究し、本物をつくり、本物の場で披露します。

日時と対象)
下記の2つの日程で開催いたします。すべて日帰りです。4日間通して参加できることが条件となります。どちらの回も参加するのに居住地に制限はありません。長野県外の方もお申込み頂けます。

1)日時 2018年7月30日~8月2日( 8時30分~16時30分)
対象 軽井沢風越学園への入学を真剣に検討している小学校1~3年生
定員 32人(先着順)

2)日時 2018年8月3日~8月6日 (8時30分~16時30分)
対象 軽井沢風越学園への入学を真剣に検討している小学校4、5年生
定員 32人(先着順)

詳細とお申込みは、こちらへ。

学校づくり途中経過報告会を実施しました

2018年5月25日(金)と26日(土)の2日間、学校づくり途中経過報告会を無事に終えました。

全部で3回の報告会は金曜日午前に148名、金曜日夜に87名、土曜日午前に206人、合計441人とたくさんの方に参加していただきました。ご来場、ありがとうございました。また、地域の中でポスターの掲示、チラシの配布にご協力してくださった皆さん、そしてSNSなどで告知してくださった皆さん、ご協力ありがとうございました。

子ども達やその保護者の方だけでなく、地域の方、教育関係者、行政の方、企業の方など様々な人が参加してくれたこと、励みになりました。参加してくださった方が、SNSで感想を伝えてくれていることで、さらに広がり、新しい出会いにつながりそうです。
こうして、いろいろな人とつながり、そして力を借りながら、「学校づくり」という営みを進めていけること、ありがたく、また最高に楽しいです。

報告会でもお話ししたように、決まっていること、決まっていないこと、伝えられること、伝えられないこと、迷っていること、悩んでいること、様々あります。試行錯誤をたっぷり繰り返し、決める時には決め、変えるべき時にはさっと変えていきます。そして、2020年4月に開校できるように、しっかり準備を進めます。
アンケートは313件の回収、回収率71%。参加者数を大人だけにすると、おそらく回収率は90%超でした。ひとつひとつ目を通して、今後の学校づくりの参考にしていきます。

本城・岩瀬・苫野の3人が話した内容に注目が向きがちですが、軽井沢風越学園設立準備財団らしさが表れたのは、それ以外の部分だったと思っています。
「400人に来場してほしい」という目標を立て、それに向けて地域を徹底的に訪問し、ポスター掲示やチラシの配布をお願いして周った広報チーム。「託児するなら、風越らしい託児にしたい!」と工夫を凝らした託児チーム。わかりやすい会場誘導の掲示、会場の雰囲気をつくるために書籍コーナーやお花、音楽を準備した会場設営チーム。駐車場が混雑しそうなことに気が付き、事前に臨時駐車場の手配などをし、当日のスムーズな案内を実現させた駐車場チーム。そして、会場にいる子どもたちも楽しく過ごせるように絵本や積木、ブロックなどを急遽用意した畳コーナーチーム。こうして、運営面でそれぞれがしっかり動いているおかげで、3人が安心してプレゼンに集中することができたのでした。
開校前にこうしたプロジェクトをチームで運営することで、僕らは少しずつ成長しています。
これからも軽井沢風越学園設立に向けた動きをご注目ください。
(本城 慎之介)

2018年度第1期「風越コラボ」申込受付開始します

2018年度第1期風越コラボは定員に達したため申込を締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。第2期募集についてはメルマガでご案内いたします。(追記 2018年5月19日)

2018年度第1期「風越コラボ」で、ともに探究しあう仲間を募集します。

私たちは、すべての子どもの<自由>に生きるための力を育むと同時に、<自由の相互承認>の感度を育むための学校をつくりたいと考えています。より多くの人が「自由だ、幸せだ」という実感をもって生きられる社会が私たちの理想です。しかし、そうした社会は私たちの学校づくりだけでは実現しがたく、多様な人たちとの連携やコラボレーションが必要だと感じています。

「風越コラボ」は、【一人ひとりが「自由だ、幸せだ」という実感を持つ社会のために、どんな学校や教育がありえるのか、多様な人たちが集まって試行錯誤しながら実験する場(Collaboration Laboratory)】です。

岩瀬が苫野の唱える公教育の原理に出会い、その「原理のメガネ」をかけて自身の現場や実践をながめなおしたとき、「これは原理に繋がる種として育てていけそうだ」、「このうまくいかなさは捉え直しができるかもしれない」など、目の前の実践の見え方や価値が変わる経験をしました。原理と実践、どちらか一方だけでなく、両方を往還することで、どちらも深まる手応えがあります。風越コラボでは、まず原理を自身のものにするために、公教育の原理、〈自由〉と〈自由の相互承認〉について、じっくり向き合い、深めます。個々人にとっての納得解なのかを吟味したうえで、毎回ゲストの研究や実践のお話を聞いたり、実践を持ち寄ったり、仲間の探究したいテーマや問いについて考えを交わし合ったりすることを通じて、自身と、取り組む実践の場の変化を共に探る場とします。

  1. 対象:
    • 子どもや教育に関わる働きをしている方。
    • 4回通じて、ご参加いただける方で、探究したい問いやテーマの仮説がある方。また、仲間の探究したいテーマに貢献する意思のある方。
    • 同じ組織やプロジェクト内での変革を促すために、チームでのご参加を歓迎します。
  2. 参加費:
    60,000円(チーム参加の場合、2人目は40,000円となります。以下の備考欄をご確認ください。)
  3. 定員:50名
  4. 申込受付開始:2018年5月19日(土)正午(先着順)
  5. 日程:
    第1回 2018年6月30日(土)10時〜17時(時間は予定です)
     テーマ:<自由>と<自由の相互承認>の感度を育むことが、本当に教育の原理なのか?
     話し手:苫野一徳(哲学者・教育学者/熊本大学教育学部 准教授)
    第2回 2018年8月25日(土)10時〜17時(時間は予定です)
     テーマ:<同じ>から<違う>、<分ける>から<混ぜる>とはどういうことか?
     話し手:赤木和重(神戸大学大学院人間発達環境学研究科 准教授)
    第3回 2018年10月21日(日)10時〜17時(時間は予定です)
     テーマ:「なにか」(参加者の関心のある探究領域をもとに、今後検討します)
    第4回 2018年12月16日(日)10時〜17時(時間は予定です)
     テーマ:「なにか」(参加者の関心のある探究領域をもとに、今後検討します)
  6. 実施場所:いずれも東京都内を予定しています。会場については、参加が決まった方たちにご案内いたします。
  7. 備考:
    • 岩瀬と苫野は、全回に参加してともに探究します。
    • 当日の場づくりは、古瀬正也さん(古瀬ワークショップデザイン事務所)と寺中祥吾さん(流通経済大学スポーツ健康科学部スポーツコミュニケーション学科 助教)の2名によるコ・ファシリテーションです。
    • 期間中、実践の試行錯誤や探究の深まりを支えるため、オンラインコミュニティなどの仕組みを検討しています。
    • 事前に読んできていただきたい書籍がいくつかあります。追って参加者にご案内します。
    • キックオフイベントでは、申込に間に合わなかった!という声を多くいただきましたので、今回は予告のうえで、5月19日(土)正午よりお申込みを受け付けます。
    • お申込時には、参加にあたってのねらいや、今の実践についてご記入いただきます。
    • チーム参加について:予算の関係上、チーム割引は10名を上限とさせていただきます。チーム全員の申込を受けて参加決定となります。組織やプロジェクト内の変革を目的としているため、友人関係には適用されません。3人以上のチームでご参加をご希望の方は、一度事務局までお問い合わせください。
    • 参加費の学割設定はありません。

ともに探究を楽しみましょう。

学校づくり途中経過報告会を開催します

軽井沢風越学園設立準備財団では、以下の通り5月25,26日(金,土)に軽井沢中央公民館にて、「学校づくり途中経過報告会」を開催いたします。

当日は設立発起人の本城、岩瀬、苫野ほかスタッフが出席し、ここまでの経過や、今後の予定についてご報告いたします。現在お住まいの地域に関係なく、どなたでもご参加いただけます。皆さまのご参加をお待ちしています。

主催)一般財団法人軽井沢風越学園設立準備財団

日時)全回ともほぼ同じ内容となります。
①2018年5月25日(金)10時~12時(9時半開場)
②2018年5月25日(金)18時~20時(17時半開場)
③2018年5月26日(土)10時~12時(9時半開場)

場所)軽井沢中央公民館(軽井沢町大字長倉2353番地1)

託児)
5月26日(土)は未就学児向けに託児室(定員20名、先着順)を設けます。報告会にお子様と一緒に参加していただくことも可能です。

ご参加希望の方は、こちらの申込フォームからお申込ください。

【お知らせ】「風越コラボ」キックオフイベント開催します

「風越コラボ」は、一人ひとりが「自由だ、幸せだ」という実感を持つ社会のために、どんな学校や教育がありえるのか、多様な人たちが集まって試行錯誤しながら実験する場(Collaboration Laboratory)にしたいと考えています。子どもたち、実践者、研究者などが自由に行き交う港のような場所を目指し、まずは岩瀬と苫野が、実践する大人の集う場を開きます。

教員時代の岩瀬自身がこんな機会を望んでいたという互いの実践を持ち寄ってフィードバックし合う場を東京都内で6月〜12月(6/24、8/25、10/21、12/16の計4回 *追記 2018年3月20日→第4回の実施日を12/6から12/16に訂正しました)に実施する予定です。そこで4月28日(土)に、キックオフイベントをおこないます。教育に興味・関心をお持ちの方は、どなたでもご参加ください。大学生・大学院生も歓迎です。

詳細はこちらをご覧ください。

(2018年3月20日21時55分追記)定員に達したため申込を締め切らせていただきました。たくさんのご参加ありがとうございます。

2018年度 幼児向け体験会「かぜあそびの日」募集開始します

4月から幼児向けの体験会「かぜあそびの日」を開催いたします。

1人ひとりの心の中に吹く風のままに遊ぶ。
風と風とが出会い、新たなあそびの風が生まれる。
誰かや何かにコントロールされることなく
たっぷりと風のように遊ぶ一日。

「体験会」とは書きましたが、ちょっとだけこの言葉には違和感を持っています。体験会というと、何か完成されたものの一部やそれを圧縮したものを体験できるのでしょうが、「かぜあそびの日」はそういうものではありません。なぜなら、私たちは「軽井沢風越学園の幼稚園はこんな感じになります!」と明確に言えるような状態にはないからです。正直、まだまだ手探り。目指す姿はぼんやりとしか見えていません。

幼小中12年間の学びの土台となる幼児期。どんな環境で、どんな体験を積み重ね、大人がどう関わるのか。そんなことについて、スタッフで対話を重ね試行錯誤しています。でも、考えているだけではわからないことが多い。

だったら、試してみよう。
思考より試行。子ども達の姿から学ぼう。

そんなわけで、森で共に時間を過ごし、子どもと大人で目指す姿を練り上げていくような場です。
そんな実験的な場に、参加してくださる方を募集します。

詳細とお申込みはこちら >>https://kazakoshi.jp/kazeasobi/

【ご報告】わたしたちワークショップを開催しました。

台風が迫る10/22(日)、軽井沢の発地市庭にて、軽井沢町・御代田町・佐久市・小諸市在住の方たちを対象に、第1回わたしたちワークショップをおこないました。

中学生、軽井沢で陶芸教室を開いている方や、幼稚園の子どもを持つ保護者など、多様な参加者10名と関係スタッフ4名、ファシリテーターに古瀬ワークショップデザイン事務所の古瀬正也さんを迎えて、一日を過ごしました。

まずは、お互いにゆっくりと出会っていくところからスタート。一人ずつの簡単な自己紹介のあとに、本城からなぜ学校をつくろうと思ったのか、今どんな学校をつくろうとしているのかについて、お話しました。

”僕らが学校づくりで一番大事にしているのは、理念とか何かの教育方法に陥りすぎないということです。わかりやすい事例のもとに学校をつくったり、効果のありそうな方法論に飛びつかず、もう少ししっかりと丁寧に、どんな学校なのかを描いていく。それが、情景です。岩瀬や他のスタッフたちと、学校の中でどんな物語が流れているかの情景を持ち寄って、お互いに手を入れて、それぞれの情景がなんとなく重なりあっていく、ということを繰り返しています。情景のベースとなっていることは、実は自己主導や協同や探究の学びということではないんです。むしろ大事なのは、そのベースとなっている「<同じ>から<違う>へ」と、「<分ける>から<混ぜる>へ」ということ。一人ひとりが違うということを尊重し合うこと、そのうえで混ぜていく、違いが混ざり合っていくことが、一番大事なことだなと思っています。

また、これからさらに関わる人たちと、いろんなやりとりしながら決めていくことをたくさん残していこうと思っています。学校づくりで大事なのは、僕がリーダーシップを発揮することではないと思っています。僕がリーダーシップを発揮する場面は、むしろ限定的で少ないほうがよくて、関わってくださっている人たち、ここにいらっしゃる皆さんもそうですが、その人たちが、自分の学校としてオーナーシップを発揮してもらうこと。たくさんの人がオーナーシップを発揮できるような環境をつくることが僕の役割で、僕のリーダーシップというよりは、それぞれの人たちがオーナーシップを発揮できるような学校にしていきたいと思っています。そして、「いろいろな人が行き交う学校」というタイトルの情景にもあるとおり、地域の人や色んな人が日々行き交うような学校にしたいなと思っています。”

このあと小グループに分かれて自己紹介をし、自身と軽井沢風越学園との出会いについて、どんな関わりをしたいと思っているかなど、それぞれ共有しました。
昼食休憩を終え、午後の部です。「軽井沢風越学園と私(または、私たち)がこれから関わり合っていくために、 今、この場で話し合ってみたいことは?」という問いの中から、参加者が話し合いたいテーマを提案、自分の興味のあるテーマのもとに集まり、分科会をおこないました(「OST(オープン・スペース・テクノロジー)」という手法)。

OSTをおこなう上での4つの心構え

『軽井沢の「地域」にすでにあるもの、今ないものってどんなもの?』、『風越学園と親の関わりって?』、『外国語教育や留学って、どう考える?』、『風越を巣立つ子どもたちの姿のイメージは?』、『子どもたちに望むものは? そのためにわたしたちに何ができるか?』など、多様な8つのテーマがうまれ、その中から4つのグループに分かれて、80分間の自由な話し合いの時間を持ちました。


一つのテーマをもとに、互いの価値観を交換しあった80分はあっという間。それぞれの場で出た内容を全体でシェアして、場を閉じました。

終了後、ファシリテーターの古瀬さんに感想を聞いてみました。

”まず1回目に、ちゃんと出会えてよかったな、とほっとしたのが一番です。関係ができれば、何か必要なときに声をかけあうことができるので、出会って関係ができるところが第一歩かなと思って準備しました。
ファシリテーターをするうえでは、参加者が自然と向かっていこうとしている方向に向かっていけるように、ということを大事にしていました。植物とかって、伸びていく先があるじゃないですか。そこを邪魔したくないというか、伸びていく方向にゆけ、と。

今日の参加者以外にも、何か関わりたいという気持ちを持った人たちは、まだまだたくさんいると思うので、そういう人たちとも一緒に何かできる場を持って、コミュニティ型で学校づくりができるといいかもしれないなと思っています。僕も、潜在的に何か関わりたいな、と思っていた一人だったので、本城さんから声をかけてもらった時はすごく嬉しくて。これから、どんなふうに続いていけるか楽しみです。”

古瀬さんの言葉通り、この1回目で具体的な何かが始まったり、何かが完結したわけではありません。ここから動き出すきっかけを得て、これからも長く続けたいと思える時間を過ごすことができました。
学校が開校したあとも、たとえば「PTA総会」ではなくて「わたしたちワークショップ」として、子どもたちも含めた参加者主体の対話が生まれる場に育つとよいな、と考えています。第2回は、来年の3月頃を予定しています。

【ご報告】サマースクールを実施しました。

8/6〜9の4日間、サマースクールを実施しました。幼児は前・後半に分かれて28人、小学生は38人の参加に対し、約20名のスタッフが関わりました。

幼児は、とにかく野外でたっぷり遊びました。お迎えに来た保護者が、あまりの泥だらけな子どもの姿に、苦笑いしながら抱っこをためらうシーンもあったくらい。日常的に森のようちえんなどの野外保育で自然に親しんでいるかどうかはあまり関係なく、環境と大人の関わり次第で、子どもは自分から仲間と共に自然の中で遊ぶことができるものです。

たとえば川遊びの場面。それぞれのペースで川と仲良くなっていく子どもたちは、途中から石を集めて高い山にすることに夢中になりました。どうすればもっと高くなるんだろう?、なんで高く積めないんだろう?このような遊びの中で不思議に思うことが、大きくなったときの学びにつながっていくと考えています。

その川に向かう途中のことです。子どもたちはドキドキコースとゆっくりコースを自分で選びましたが、ドキドキコースを選んだ一人の女の子が、崖を降りる途中で怖くなって止まってしまいました。

すると、崖の下から力強く助けにきてくれた女の子。彼女はその日、緊張していたのか、それまで一言も発さずに、頑なまでに黙々と自分の決めた遊びを続けていました。そんな彼女が、友達の困っている様子を見て、土の中にぐっと指先を食い込ませながらも、助けに来てくれたのです。大人が先回りして手を出していたら、きっと見られなかったその子の持つ力強さに、はっとした出来事でした。

小学生は、軽井沢風越学園の学びの軸の一つである「探究」の楽しさを体感してもらうため、「◯◯すぎる世界」というテーマで4日間を過ごしました。

初日に、自分たちがやってみたい「◯◯すぎる◯◯」を考え、一人でやりたい子は一人で、仲間とやりたい子は仲間で、4日間、一つのテーマを深めていきました。

たとえば、「でかすぎる太陽」をテーマにした男の子。太陽は地球の大きさの110個分だと調べてわかった次に、重さはどれくらい違うんだろう?という問いに向かいました。

するとなんと、30万倍。地球が1グラムだとすると、300キロです。そうして石を集め始めた結果が、この石。

これだけ集めても、100キロしかありません。石を一つずつ計って、ノートに足し算をして、これの3倍あるらしい、ということを4日間で探究しました。

他にも、まじめすぎるポテトチップス、かわいすぎるアクセサリー、あやしすぎるひみつきち、こわすぎるゆうぐ、などなど。完成形にたどり着くまでに、それぞれ失敗と工夫を繰り返していました。

好きなことに集中したときの子どもたちの力、遊びの中から探究が始まる瞬間も、興味深いものでした。たとえば、川の流れで遊ぶ中で、空き缶を早くどうやったら下流まで早く流せるか?という探究が、自然に始まります。ここから流すのがいいんじゃないか、ここに石を置けばどうかと、大人が声をかけなくとも、子どもたちは自ら探究を進めていました。

大人はつい、遊びと学びを分けて考えてしまい、探究するにはまずテーマを決めて、問いを立てて、という順序を前提に考えてしまいます。でも、子どもはわざわざ分けて考えません。そういう当たり前のことに気づいた4日間でした。

私たちスタッフにとっても、軽井沢風越学園として初めて実際に子どもたちと関わる場となったサマースクール。どこから大人が介入するか、どこまで待つか。子どもたちにどんなふうな声かけや関わりをするのか、あるいはしないのか。私たちの目指す学校像である「自由と自由の相互承認の感度を育む」ために、大人はどんな関わり方ができるのか。

今回は探究にテーマを据えて、ある程度の手応えを得ましたが、教科学習における「自己主導の学び」や「協同の学び」をどうすれば全スタッフで共有しながら実践できるかは、まだまだ未知数です。さらに実際の学校では、サマースクールよりも空間が大きく、子どもと大人の人数もぐっと増えます。今回できたことが、その規模でどこまで同じようにできるか、何を変える必要があるか。すぐには答えが見つからない、もやもやとした問いが何よりの今回の収穫だったと前向きに捉えています。

こうした場を開校までに何度か実施する予定です。サマースクール開催にあたって、ご協力いただいた皆さん、参加してくれた子どもたち、ありがとうございました。