学校づくり 2019年4月6日

校舎工事の様子(2019年3月)

かぜのーと編集部
投稿者 | かぜのーと編集部

2019年4月6日

2018年11月1日に地鎮祭を終えた校舎の敷地は、12月4日から基礎工事が始まっています。今冬は雪が少なく、工事にはありがたい天候でした。扇形の校舎の中に、大きなクレーンが4台並んでの作業が続いています。

敷地の入り口には、屋根や塗装の色を選ぶためのパネル。どの色にするかで随分印象が変わりそう。さて、どの組み合わせになるでしょう。

2019年3月現在、毎日約60〜80人の職人さんが作業していますが、ピーク時には200〜300人での工事となるようです。その現場監督を担当する北野建設の湯本さんと清水さんのお二人にインタビューさせてもらいました。

本城)北野建設に入社したきっかけと印象的なこれまでのお仕事を教えてください。

湯本さん)父が長野で土建屋をやっていたこともあって、小さな頃から職人さんたちは身近な存在で、私も大工仕事が好きでした。自然に建築の勉強をし、北野建設に中途入社してから約25年になります。担当した現場は数え切れないくらいありますが、一番記憶に残っているのは、1998年長野オリンピックの選手村の施工管理です。ここ10年くらいは軽井沢町内の担当が多く、本城さんとも10年ほど前からご縁があります。

清水さん)私も父が設備関係の仕事をやっていたことがきっかけで、大学で建築学科に入りました。卒業後、社寺建築にも興味があったこともあって、善光寺の改修なども手がけていた地元の北野建設に入社して15年になります。つい先日、初めて自分が関わった建物に家族と一緒に宿泊し、子どもたちがはしゃいでいる姿を見て嬉しく思いました。これまではマンションや工場などが多く、自分のつくった物件に家族で行けることがなかったので。

本城)現場監督のお仕事は、多岐にわたる要素が複雑にからみあっている状況を管理する仕事だなと見ています。進めていくうえで気をつけていることやコツみたいなものがあるのでしょうか?

湯本さん)やっぱり、慣れでしかないですね。慣れていくうちに現場の流れがわかってくるものです。

本城)現場の流れの中の何を一番見ていますか?

湯本さん)私の場合は、躯体関係、つまり骨組みを見ています。鉄骨がいつ立つかが決まったら、そこからどれくらいの期間に何人くらいの職人で内装を仕上げなきゃいけないかを逆算します。上棟を境に、現場の職人の職種ががらっと入れ替わるんです。

本城)経験がないうちは、どこを目安にすればいいかわからないものですか?

湯本さん)そうなんです。慣れていないと目先のことに追われてしまって、壁や屋根材の色、物品など決めてから手配するまでに時間がかかるものの手配が抜けてしまうんです。経験を積んで先読みできるようになると、要所要所を押さえて間に合わせられるようになってきます。

本城)どうやったら慣れていくものでしょうか?

湯本さん)自分自身のことを思い出すと、小さな失敗をすることが一番いいです。今の立場であれば、私はわかっていても黙って若手に失敗させる。そうすると、本人もぴりっとする。口でいくら言ってもだめですね。余裕があるときに、ここなら失敗させても工程的に大丈夫だなと確信があるときは失敗させています。

清水さん)自分自身も失敗させてもらったなという経験は、ありますね。北野建設はそんなに社員数も多くないので、わりに若い頃から任せてもらえるんですけど、若い頃ってあれもこれもとなると周りが見えなくなってしまうときがある。そういうときに失敗すると、はっと我に返ります。肝を冷やすという思いをすることは次の糧となって、キャパシティが広がるというか。

本城)湯本さんは施主や設計者に対して、このほうがもっといいんじゃないか、と自信を持って提案してくれるときがあります。どういうところから、その提案が出てくるのでしょう。

湯本さん)やはり今までの経験ですね。どんな建物を担当しても、自分が使うとすればどうかという使い勝手を徹底的に考えます。気になった点を提案しないでいると、引き渡して何年か後に施主さんからやっぱり直してほしいという要望をもらうという経験を何度かしました。以降、懸念点はきちんとお伝えするようにしています。使い続けるうえでは、意匠的な観点よりは、使いやすさが大事だなと思って。

本城)そういうお仕事ぶりは、すごく印象に残っています。つい先日もトイレの手洗いを選ぶ際、僕たちと設計者で意見が分かれたので湯本さんや清水さんたちが間に入って調整してくれました。

清水さん)私達は備品を調達して、施主さんたちからそれについての意見を聞くことができるので、そうした経験が積み重なって次のご提案につながるのだと思います。

本城)今回の校舎で難しいと感じる、気になっている部分の工事はありますか?

湯本さん)吹き抜けが多いことと天井が高くて平らでないので、足場が難しくやりづらく難しいなと思っています。

本城)おふたりの役割分担はどうなっていますか?

湯本さん)今は備品の発注が主たる業務になっているので、2人で分担しています。基礎工事の管理は清水におもにまとめてもらっていて、私が全体を見ています。工程表の中でいくつかのマイルストーンを設けて、いつまでにこれをしなくちゃいけないというのを明らかにしています。

本城)部分と全体でいったりきたりですね。

湯本さん)そうですね、建物の施工図も同じ考え方です。最初から大きなものを書いても、部分的におさまらない。細かいいくつかの要所をおさえてから全体を書いていくのが主流だと思いますね。

本城)ないもの、見えないものを見ようとしすぎてもだめなんだなぁ。

湯本さん)図面だけじゃなくて発注していくと見えてくることもあるんです。トイレの数や流しなどが見えて入ってきて、屋根や壁に色がついてきて、建物がはっきりしていきます。

事務局)一番わくわくするのはどこの工程ですか?

湯本さん)やっぱり鉄骨が立ち終わった姿はいいなと思いますね。あとは終盤の仕上がってきた姿です。

清水さん)私も鉄骨が立つと、いいなと思いますね。鉄骨でその建物の形が見えるので。

事務局)今年の冬は例年に比べて暖かいといえど、外での作業は寒さがつらいときもありませんでしたか。

湯本さん)ちょうどこのあたりは風を遮るものがないので、浅間山からの冷たい風が強い日は大変でした。冬は確かに厳しいけれど、四季がはっきりしている中で子どもたちが育っていくのは楽しみですね。

本城)そうですね、自然の厳しさがあるからこその楽しさもあると思っています。引き続きよろしくお願いします。

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