イベントレポート 2019年7月25日

保護者のみなさんへ

本城 慎之介
投稿者 | 本城 慎之介

2019年7月25日

*この記事は、2019年5月に開催された学校づくり途中経過報告会で本城が話した内容をまとめたものです。

私たちから、保護者のみなさんへお伝えしたいと思っていることが3つあります。

1.軽井沢風越学園は、おおきな挑戦です

先ほどスタッフの実践を紹介()しましたが、教師になってすぐにあのような取り組みをしたのではありません。教師が主体の授業で50分間喋りっぱなしだったり、大人の思うように子どもたちを動かそうとしたり、変に盛り上げたりという実践を経て、「ちょっと違うかもしれない」という疑問が湧いてきて。そこから新たな挑戦を何度もしてきて、今の姿に至っている。そして、それぞれ安定した職場からどうなるかわからない軽井沢風越学園という学校づくりに飛び込むように参画した人たちです。そういう人達の集まりが軽井沢風越学園のスタッフです。私たちは挑戦するチーム、挑戦し続けるチームです。

<自由>と<自由の相互承認>」を学校像に掲げたり、「探究の学び、土台の学び、探究の芽・土台の芽」をカリキュラムの軸にしたりするのではなく、もっとわかりやすい、無難な形で開校したほうが楽だろうとは思います。けれども、私たちはそこは目指しません。新しい学校の在り方を提示したいという強い気持ちを持って取り組んでいます。軽井沢風越学園をつくるということは、とてもおおきな挑戦です。

おおきな挑戦なので、おおきく失敗する可能性もあります。すべてのことが、思ったようにうまくいくわけがありません。それは初年度だけではなく2年目・3年目も同様です。開校前の今、みなさんそれぞれがイメージしている学校の姿と、開校後の姿とのギャップに、「あれ、こんなはずじゃなかったんじゃないの?!」と感じることが、小さいことから大きいことまでいろいろとたくさん起こると思います。そういった失敗と言えるようなことが起こったとしても、私たちはまた挑戦をし続ける。そしてよりよいものをつくっていきます。失敗を恐れて挑戦しないという選択はしません。失敗する可能性があったとしても、よりよいものを目指して挑戦し続けます。

最初から安定した学校の姿を期待していたり、ここに子どもを預ければ大丈夫と思っていらっしゃるような保護者の方には向かない学校です。そういった方にはおススメできません。この不安定な状況を「次はどうなるのかな」とおもしろがったり、失敗している、あるいは不安定な状況を目の前に「ここに自分はどう関われるかな」と思っていただきたいのです。

2.軽井沢風越学園は、手づくりです

軽井沢風越学園は、手づくりしていきます。ある機械に材料を入れれば必ず形が整ったものが出てくる、というような学校ではありません。自分たちの手でじっくりと丁寧につくっていきます。ですから、かなり手間がかかることになります。さらに、つくり手というのは私たちスタッフだけではなく、子どもたち、そして保護者の皆さんも学校づくりの主人公となります。「わたしもつくり手の1人である」という意識が必要です。

軽井沢風越学園の校舎の中心には大きなライブラリーがあります。4月の開校時点で、そのライブラリーが空っぽの状況をイメージしてみてください。「ここをスタッフだけでつくるのではなく、子どもたち、保護者の皆さんと一緒に手づくりしていきたい。」と呼びかけがあったとしましょう。さて、皆さんはどんなふうにこのライブラリーづくりに関わりますか?「学校に行って、子どもたちと一緒に本を並べる」ということが真っ先に思いつくかもしれません。とはいえ、保護者の皆さんもお仕事があったりいろいろな状況がありますよね。平日学校に行くのはちょっと無理だけれど、本を何冊か持ち帰って、家でラベルを貼る、そういうことだったら手伝うよ、という人もいるかもしれません。本が好きだから、本の紹介用のポップを作るよ、という人。エンジニアだから、本の検索のシステムを開発できるよ、という人。大工仕事が得意だから、ライブラリーに置く椅子やテーブルを作ってみようか、という関わり方もあるかもしれません。4月は弟や妹が小さくて忙しいけれど、ちょっと落ち着いたら、朝の時間に絵本の読み聞かせにライブラリーに行けますよ、という人がいるかもしれません。こんなふうに、それぞれの状況に応じてどんなつくり手になるかを選べる、もしくはご自身で決めて関わることができる。

誰かがどうにかしてくれる。待っていれば完成したものが出てくる。そういう学校ではありません。手づくりする。手間をかけていく。そして1人ひとりがつくり手である意識を持つ。そういったことを大切にする学校です。

3.軽井沢風越学園は、変態していきます

軽井沢風越学園は、どんどん変態していく学校です。カエルはカエルとして生まれるわけではなく、タマゴが孵化してオタマジャクシになって、足が生えてきて、尻尾が縮んでいく…。おおきく姿を変えて、つまり変態してカエルになります。イモムシも、サナギになって、チョウになっていく。そんなふうに、軽井沢風越学園はおおきく変わって、そして変わり続けることでしょう。

2020年の姿が10年後まで同じように続くわけではありません。子どもたちにとってよりよい学校にしていくために、どんどん変態をする、変態し続ける、ということを大事にしたい。そして、その変態をおもしろがって、そして見守っていただきたいと思っています。

4.最後に

最後にもう一つだけお伝えします。軽井沢風越学園へのお子さんの入園や入学を検討されている方が多いと思いますが、どうぞお子さんの気持ちを大切にしてください。子どもたちが「楽しい」、「行ってみたい」と思うことが一番大事です。親の気持ちと子どもの気持ちはいつも一致しているとは限りません。「今まで一緒に過ごしてきた仲間と一緒に卒業したい」「この仲間ともっと長い時間を過ごしたい」というような子どもたちの気持ちは、とても大事です。どうぞ子どもたちの気持ちを第一に考えて、ご家族でご相談ください。

おおきな挑戦であること、手づくりであること、変態していくことについてお伝えしてきました。こういったことを理解して共感していただけるみなさんと一緒に軽井沢風越学園をつくっていきたい。そして、この軽井沢風越学園でイメージしている15歳の姿を実現するために、私たち大人が一緒に協力しあいながら進んでいける、そういう時間を共にしていきたいと思っています。

本城 慎之介

投稿者本城 慎之介

投稿者本城 慎之介

みんなが同じ方向を見て、同じものを手にして、同じことを学ぶ時代は終わりました。どんな世界を見るのか、どんなものを手にして、どんなことを学ぶのか。それを一人ひとりが決める学校を創ります。そのような学びが展開される学校では、大人の在り方は大きく変わります。大人が学び続ける組織を創り、新しい学校の姿を提示していきます。

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