設立スタッフ追加募集にあたって

2019年4月から参画する設立スタッフ追加募集を始めました。義務教育学校教諭(算数・数学、社会)、養護教諭、幼稚園教諭が今回の募集対象です。

2018年は軽井沢風越学園のカリキュラムの原理・原則をぼく(岩瀬)と苫野を中心につくりあげ、2019年に集まる先生たちと一緒に原理・原則に基づいた具体的なカリキュラムを策定する予定をしています。その原理・原則を考えるうえで、改めて専門性の重要性を痛感しています。

ここでいう専門性とは、教科ごとの教え方のテクニックや教科の知識を持っているということではありません。その教科や学問自体を深く探究し続けていたり、実社会と結びつけたりしながら、教員本人が学びを楽しんで使いこなしているような在り方が、ぼくたちの考える<教科の専門性>です。

新しい学習指導要領に、各教科の特質に応じた物事を捉える視点や考え方を示す「見方・考え方」が書かれていますが、これを子どもに求めるだけでなく、ぼくら大人自身が実践できているか、問うてみたいのです。

例えば、数学の美しさを知っている人には、世の中にある様々な形や模様、あるいは現象や問題までもが数学的に見えるそうです。ぼくにはまったく見えない世界だけれど。また文学を愛していない人に、読みの学びはデザインできないでしょう。

そう考えると、専門性とは「その世界に没頭している」とも言えます。そんなふうに教科や学問の専門性を大事にしている人たちと一緒に、軽井沢風越学園のカリキュラムをつくっていきたいと思っています。

社会では、教科横断的な探究カリキュラムを一つの核にしたいと考えています。歴史や地理をどう教えるかというよりは、いま社会で起きていることを基に子どもたちと横断的な学びに繋げるチャレンジに取り組んでみたい。

算数・数学では、自由進度の学びの個別化カリキュラムを実現させ、その中で協同的な探究も大事にしたい。算数・数学で教科の枠を越えた学びは、どうすれば実現できるだろうと考えていますが、先に書いた専門性のある人であれば、自然にいろいろな教科とも繋がっていける予感があります。

幼稚園では、幼稚園と小学校のつながりのデザインについて一緒に考えたいです。幼稚園の年長として、年下の学年のお兄さん・お姉さんだった彼ら・彼女らが、小学校入学を機に<何もできないちいさい存在>かのように扱われ、「動き回る」から「座り続ける」、「あそぶ」から「勉強する」に過ごす時間ががらりと変わってしまいます。

でも、本当に遊びと学びの間に境はあるのでしょうか?学ぶということは座るということと同義なのか?幼稚園と小学校の文化が「まざる」ことでどんなことが起こるのか?当事者である子どもがわくわくするような、子どもの育ちに沿った小学校低学年期の在り方を変えていきたいです。

養護教諭は、幼稚園から中学校を通して子どもたちの育ちに関わる要となる存在です。ぼくがこれまで勤めてきた学校でも、すてきな養護教諭に出会ってきました。そこにいるだけで、なんだか場が安心できる存在。子どものケアはもちろん、保護者やぼくもよく相談に乗ってもらっていました。子どもたちだけでなく、学校に関係する様々な人たちとフラットに関係をつくっていける方に出会えると嬉しいです。

いま集まっているメンバーには、様々な参画動機がありますが、ゼロからカリキュラムをつくることや、異なる教科のメンバーと持っている専門性をかけあわせて子どもたちの学びに繋げる環境づくりを楽しみにしている、何より子どもたちの持つ力や可能性を信じている人たちです。新しくできる学校と創立メンバーだからこそ考えられるこれからの学びとその実践をみんなで試行錯誤してみたいです。一緒に<新しい普通の学校>をつくりましょう。

(岩瀬直樹)